(五月五日更新)平成9年度春季九州大会結果、団体戦成績掲載

無念、九大一勝差で優勝を逃す。


春季九州大会は五月三、四日に福大の学而会館にてA級七大学が優勝を巡りしのぎを削った。
結果、熊大、九大が共に五勝一敗で並び、勝ち星で熊大29、九大28と僅か一勝差で(同星ならば前年度順位上位の九大の優勝)栄冠は熊大に輝き、準優勝九大、三位福大という近年まれに見る大接戦だった。
戦前、九大は昨年度のレギュラーが一気に五人も抜け優勝争いにはとても加われないと予想されていたが、部員がその下馬評に奮起しあと一歩のところまで熊大を追いつめたのは嬉しい誤算だったが、一勝差で優勝を逃したことで部員に笑顔は少なかった。







一回戦 二回戦 三回戦
九大長大 九大佐大 九大鹿大
−−−−−−
●北野(貴)−−○嬉野   ○北野(貴)−−●足立   ○北野(貴)−−●前田  
○吉岡−−●倉島 ●吉岡−−○堤田 ●吉岡−−○緒方
○山本−−●石川 ●山本−−○星出 ○山本−−●海平
○丸山−−●三根生 ○丸山−−●川内 ○丸山−−●片木山
○高松−−●金替 ○高松−−●北島 ○高松−−●小瀬戸
○中島−−●中島 ○中島−−●茂木 ○中島−−●高梠
○前田−−●辻 ○前田−−●小笠原  ●前田−−○鯵坂


四回戦五回戦六回戦
九大分大 九大福大 九大熊大
−−−−−−
○北野(貴)−−●今村   ○北野(貴)−−●馬場   ○北野(貴)−−●宮田  
○吉岡−−●河野 ○吉岡−−●石井 ●吉岡−−○甲斐
○山本−−●矢野 ○山本−−●持田 ●山本−−○二神
○丸山−−●金子 ○丸山−−●貞広 ○丸山−−●山下
●高松−−○吉見 ●高松−−○千代田  ●高松−−○吉田
○中島−−●米村 ●中島−−○上村 ●中島−−○富田
●前田−−○井出口 ○前田−−●羽野 ●前田−−○石田


団体戦個人成績


「 」の中身は戦犯度

大将 北野「級」 5−1


大将としての責任を十分に果しよく貢献してくれた。特に熊大の二枚看板である宮田氏を倒したことで名実共に九州の学生強豪の一人になったといえる。惜しいのは長大戦で油断から一敗を喫した点であるが、秋はこれをバネに上位での全勝を目指して欲しい。


副将 吉岡「級」 3−3


初レギュラー副将という重責にもめげずよくやったと言いたいが、熊大戦での反則負けはいただけない。個人的には新人王の有力候補と見ているだけに真摯な態度で対局に臨めば実力が十分に発揮できるはずだ。六月の新人王戦までしっかり練習して欲しい。


三将 山本「級」 4−2


当初の予定では彼が一番きついだろうと思われていたが、実際きつかったのは佐賀大戦だけだった。最終戦の熊大戦に負けたのは痛かったが、去年の同時期に比べると見違えるような成長ぶりである。このまま成長を続けて秋にはこの無念を晴らして欲しい。


四将 丸山「無罪」 6−0


言うことは何もない。相手のエースクラスを連破しての全勝は価値が高 く、いまいちだっ九州内での知名度も一気に高まった。九大として西日本大会にいけないのは残念だが九選として西日本では活躍して欲しい。


五将 高松「級」 3−3


自己批判しなけれはならないだろう。主力とぶつかった福大、分大戦は ともかく熊大の一年に敗れるとは何事か。定跡よりも力指しに頼ったせいで序盤で悪くして以下為す術もなく時間一杯粘るだけというのが多かった。秋には雪辱を期したい。


六将 中島「級」 4−2


初レギュラーにもかかわらず4勝は見事といいたいがこの位置では全勝 してもおかしくない実力はあるだけに熊大、福大戦が悔やまれる。特に負けた試合は序盤大優勢を築きながらも終盤の失速で敗れるという悪い癖が出たものだった。優勢になってから腰を落ち着けて考える癖をつければ勝率も自ずと上がってくるはずである。理事長職も忙しいと思うが秋に向けてがんばって欲しい。


七将 前田「級」 3−3


うーん。この位置での3−3はちょっと痛かった。相居飛車の将棋に難点が有るようなのでしっかり研究して欲しい。最終戦では人だかりの中詰みを見逃してしまい苦い思い出になってしまったが、去年、詰みを見逃した丸山が雪辱を期し今年全勝したことを考えれば、この経験を生かして秋に雪辱して欲しい。

<総評>

今回の九州大会から固定オーダー制が導入され、各大学ともに当て馬を警戒してかまともに上から並べる大学は少なかった。つまりどの大学も優勝を狙える戦力を有していたということである。そのため四将の丸山が相手のエース級と戦う場面が多く、ここでの全勝が九大の躍進に繋がったのは言うまでもない。 後の大将から五将までは総合的に相手の強さに大差はなく今回の大会では以前のような大将戦=最強戦という図式は当てはまらなかった。おそらくこの傾向はこれからも変わらないだろう。 従って、この状況を勝ち抜くためには個々の強さだけでなく全体的な底上げが必要と思われる。つまり、将棋部全体の強さを競う時代である。 九大は七人のみで大会を戦い、一方熊大は相手によってオーダーを組み替える柔軟性を見せた。最後に勝敗を分けたもの,それは層の厚さではなかったのだろうか。







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九大将棋部