(五月八日更新)
平成10年度春季九州大会結果、団体戦成績掲載

優勝は熊本大。九大は形づくりの二位



取材・文責 DEKU



春季九州大会は五月二日、三日の両日、福岡大の学而会館にてA級七大学が優勝を巡りしのぎを削った。
戦前の予想では有力新人の入部で層を厚くした熊大、秋の雪辱に燃える九大、強力な三枚看板(星出、川内、佐野)を擁する佐賀大、伝統ある福大などが中心になると(勝手に)予想されていた。 しかし、九大が敗れたのは。



一回戦 二回戦 三回戦
九大鹿大 九大分大 九大熊大
−− −− −−
○丸山−−●片木山  ○丸山−−●永濱   ●丸山−−○甲斐  
○吉岡−−●緒方 ○吉岡−−●浜崎 ●沖永−−○土橋
●北野貴−−○海平 ●北野貴−−○吉見 ●吉岡−−○吉田
●中島−−○高梠 ○中島−−●井手口 ○北野貴−−●小牟田
○北野純−−●伊藤 ○北野純−−●米村 ○中島−−●宮田
●安部−−○小瀬戸 ●安部−−○矢野 ●北野純−−○二神
●渡辺−−○松久保 ○渡辺−−●大戸 ●渡辺−−○石田


四回戦 五回戦 六回戦
九大佐大 九大福大 九大北九大
−− −− −−
○丸山−−●堤田   ○丸山−−●千代田  ●平野−−○高田  
●吉岡−−○星出 ○吉岡−−●上村 ○吉岡−−●岡
○北野貴−−●茂木 ○北野貴−−●谷 ○北野貴−−●藤井
○中島不戦●川内 ○中島−−●谷山 ●関−−○貝嶋
○北野純−−●小笠原 ○北野純−−●宮本 ○北野純−−●島田
○安部−−●足立 ○安部−−●毛利 ○安部−−●福代
○渡辺−−●北島 ○渡辺−−●市丸 ○原田−−●松元




最終結果








<結果>

6戦全勝で熊本大の完全優勝、九大は4勝2敗で2位となるも初日の段階で優勝の可能性が消滅し、「形づくりの2位」というかなりお寒い大会だった。
尚、有力校と予想された佐賀大は三枚看板のうち川内、佐野氏の欠場で苦戦を強いられ、福岡大も主力選手が参加しておらず優勝争いから早々に後退していった。
そんな有力校が次々と脱落する中、優勝争いの中心に躍り出てきたのが鹿児島大学である。鹿大は着実に成長した若手、中堅部員が下位で踏ん張ることによって下位の手薄な大学(九大 etc)を確実に仕留めていたようだ。しかし、熊大の選手層は更に厚かったようで終わってみれば熊大の完全優勝という結果に収束した。

熊大は強い。元高校竜王戦県代表三人で17勝1敗。中、下位の層の厚さは他校を圧倒した上に中心選手が1〜3年と若い(+九州の首領様)。某OBが言われるように今回の九州大会は「熊大時代の到来」を予感させるのだろうか・・・








団体戦出場選手個人成績&寸評


「 」の中身は戦犯度で、さらにドクロの数で細分化しています。

大将 丸山「級」 4−1



熊大の甲斐氏に敗れたものの安定した力を見せ、改めてその実力を我々に再認識させた。戦前の予想では丸山が全勝する事が九大優勝の必要条件となっており、そこまで丸山に依存していた時点で九大の戦略は既に破綻していたといえる。いまさら多くは望まないが最後の大会になる秋には苦手の甲斐氏を克服し、九大優勝の原動力になってもらいたい。

2ドクロ(甲斐氏に負け)− 半ドクロ(千代田、堤田氏に勝ち)は妥当なところだろう。


副将 吉岡「級」 4−2



理事長職も兼任した副将で4勝2敗はまずまずだが、星出氏はともかく熊大戦の吉田氏に敗れたのは残念だった。どうやら、強豪に対して弱気になる悪い癖が出たようだ。しかし、将棋は粘り強く、団体戦の責任を強く感じているのが良く分かった。秋の大会では「大物喰いの吉岡」から「大物の吉岡」へと変貌を遂げて欲しい。
ところで、優勝しなかったら五厘刈りというのはどうなったんだ??

1ドクロ(吉田氏に負け)+ 1ドクロ(なんとなく)


三将 北野(兄)「級」 4−2



鹿児島大戦におけるA級戦犯。多少厳しいが3つドクロだろう。昨秋の大会の雪辱を誓っていただけに残念である。実力的には丸山と並び部内トップクラスと思われるが、いまいち安定性に欠け連敗する事も多い。キャプテンとして信頼を得る為にも秋の団体戦では強いところを見せて欲しい。

余談だが彼は写真を撮られる事を非常に嫌う。なんだか怪しい・・・


四将 中島 「級」4−1




就職活動に忙しい中、大会に参戦。熊大戦では宮田氏に勝利し一人気を吐いたが鹿児島大戦では高梠氏に敗れ、敗戦投手になってしまった。しかし、以前の終盤のひ弱さが影を潜めているのは驚いた。部内では研究派で通っているので最後の秋季大会にはその研究の成果を存分に発揮して欲しい。

2ドクロ(勝機があった)− 半ドクロ(九州の首領に勝ち)=1.5ドクロ


五将 北野(弟)「級」 5−1





熊大戦に敗れたものの初レギュラーでこの成績は充分誇っていい。試合後も積極的にOBに指導対局を申し入れ、打ち上げの席で反省点を述べる姿は言い訳に終始する他のレギュラーに比べ筆者の目には新鮮に映った。間違いなくレギュラー上位の力はある。秋は九大の中心選手として存分に活躍して欲しい。

ところで、先輩を褒め殺すのはやめなさい (^^;)


六将 安部「級」 3−2



幹事と選手の両立の大変さはわかるがこちらも些か寂しい結果になってしまった。六、七将は九州大会では特に重要である。ライバルの吉岡が実績を残しているだけに心中穏やかではないだろう。棋風的には相手の言い分を通しすぎるきらいが見られる。練習は十分なだけに、自分の指し手に自信を持って欲しい。そうすれば結果も自ずとついてくるだろう。

2ドクロ+半ドクロ(熊大戦不出場)でいかがだろうか。


七将 渡辺「級」 3−2




本業の忙しさゆえの実戦不足を考慮しても、この地位での成績としては寂しいものがある。本業の都合上、今回が最後の大会らしいが将棋部での頑張りを思い出して本業の方でも頑張って欲しい。

急所だけにドクロ3つは仕方のないところか・・・


番外 沖永 「級」 0−1



熊大戦でのワンポイントとして出場したが残念な結果に終わった。やはり実戦不足が祟ったのだろうか。秋季大会の参加は微妙だが有力なレギュラー候補だろう。実戦不足を解消してもう一度雪辱に燃えて欲しい。

1ドクロ+半ドクロ(早指しの罪)が妥当なところか。


番外 原田 1−0


教育リーグ初登場で見事に団体戦初勝利を収めた。秋にはレギュラー争いにも絡んでくると思われるので、この勝利を自信に一層将棋に励んで欲しい。

なお、彼は吉岡の後輩だが高校時代の吉岡の良い評判を聞かないのはなぜ??


番外 関 0−1


残念ながら団体戦初勝利はまたもお預けになった。将棋が優勢だっただけに残念である。積極的に部活に参加している成果は着実に現れているが、終盤にやや難があるようなので詰将棋などに積極的に取り組んで欲しい。





<総評>

九大の2位という結果は一見、接戦だったが内容的には熊大との実力の差をまざまざと見せ付けられ完敗といっても差し支えない内容だった。恐らくこのままでは秋も熊大に優勝を攫われてしまうだろう。そこで一OBとして問題点を勝手に分析してみたので、秋に向けて建て直しをしてもらいたい。

・競争心の低下

筆者が現役のころのレギュラー争いは熾烈なものであった。そのため部員同士がよきライバルとなり互いに切磋琢磨することで棋力が向上していった。 しかし、今の部員数ではそれを望むのは難しい。部員同士を競わせるような環境を考えなくてはならない。


・部員同士の協調

棋力を向上させるのは部員を出し抜く為ではない。仲間同士で一つの目標に向かう為である。つまらん見栄を張るなどもってのほか、もう大人なんだから部員同士仲良くしなさい。


・肩書きに弱い

今回の大会でよく筆者が耳にしたのが「相手が○○(実績)だから私は負けた〜〜」と 言う類の言い訳である。戦う前から相手に苦手意識を持つのはいかがなものだろうか 。実際 、上記の発言の主も勝負所で手が伸びずに逆転負けを喫している。なんとも・・・



以上のような分析をしてみたが私も現役時代は到底守れなかった。 しかし、実践すれば熊大とも互角に戦えるだけの戦力にはなると思う。本大会には間に合わなかったとはいえ有力新人も入った。「あの人」も秋季大会にはきっと出場するだろう。将棋は勝つ事にこそ意義がある。努力を無駄にしない為にも秋には勝利の報告をしたいものである。



<おまけ>
今回の九州大学は早々と優勝から脱落し、応援組の私にとっては退屈なものであった。しかし、某大学の部員の発言は我々をおおいに刺激した。

「俺の相手は九大の○о○○○だから、勝てるわけないよ・・・」



そうですか??
(秋こそは頼むぜ○о○○○!!)



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九大将棋部