春季九州新人王戦は六月二十日に福岡大学学而会館にて九州全県から十一大学四十九人を集めて開催された。 今年は例年に比べ参加人数が少ないという点で少し寂しい大会になってしまったが、将棋の方は熱戦が多く、参加者の少なさをカバーするのに十分な試合の連続であったように思う。 さて、戦前の予想では春の九州大会団体戦で活躍した熊大の土橋氏、吉田氏、九大の北野らに加え前回優勝者の高梠氏、実力者の小松氏あたりを中心に優勝争いが展開していくと見られていたのだが、結果の方は昨年に続きまたしても意外な方向へと進んでいくのであった。
一回戦 | 二回戦 | 三回戦
●白倉 | -- | ○吉谷(西南)
| ○関 | -- | ○村上(熊本)
| ○関 | -- | ●嶋村(熊本)
| ●新藤 | -- | ○福代(北九)
| ○原田 | -- | ●島田(北九)
| ●原田 | -- | ○園田
| ■安達 | -- | ■勝野(福岡)
| ○園田 | -- | ●矢野(熊本)
| ○園田 | -- | ●原田
| ○関 | -- | ●大塚(福岡)
| ●苦瓜 | -- | ○土橋(熊本)
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| ○原田 | -- | ●吉田(熊本)
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| ●北野 | -- | ○高梠(鹿児)
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今年もいきなり1回戦から北野と高梠氏が激突するなど緒戦から目の離せない展開となった。この対決を制した高梠氏と土橋氏は順当に決勝トーナメントへと駒を進めたが吉田氏が原田にいきなり敗れ、小松氏も飛び入りで参加した福岡国際大学の古賀氏の前に敗れてしまった。決勝に残ったのはその古賀氏と宮崎産業経営大学の沖崎氏、この対決を制した沖崎氏が見事今年の新人王の座に就いた。また、我が九大勢では事実上3人パートを勝ち抜いてきた関が3位、パート決勝で原田に勝った園田がベスト8とまずまずと言っていい成績を残してくれた。その中でも関は3位決定戦で土橋氏を破るなど我々の予想を遥かに上回る好成績を残してくれた。今回も九大からの新人王は出る事はなかったがこの結果は秋の九州大会、そして来年以降に向けて明るい材料になった事は間違いないだろう。彼らのこれからの活躍に期待したい。