(七月二十三日更新)
平成11年度春季九州大会結果、団体戦成績掲載
熊大3期連続優勝、九大は2位


取材・文責 DEKU



春季九州大会は5月2日、3日の両日、福岡大学学而会館にてA級8大学がしのぎを削った。今大会からはA級、B級が統合され参加8大学による総当たり戦の実施で、1日に4局を消化するハードスケジュールになっている。戦前の予想では昨年の優勝メンバーが殆ど残った熊大の評価がずば抜けて高く、それに対して他大学がどれだけ食い下がれるかに注目が集まっていた。



一回戦 二回戦 三回戦 四回戦
九大 佐大 九大 琉大 九大 北九大 九大 分大
−− −− −− −−
○沖永 −− ●宮本 ●沖永 −− ○中村 ○沖永 −− ●貝嶋 ○沖永 −− ●岩下
○山本 −− ●梅崎 ○山本 −− ●麿井 ○山本 −− ●藤井 ○山本 −− ●安藤
○北野兄 −− ●星出 ○北野兄 −− ●當 ○北野兄 −− ●羽勢 ○北野兄 −− ●田上
○原田 −− ●茂木 ○原田 −− ●古賀 ○原田 −− ●諸関 ○原田 −− ●矢野
○吉岡 −− ●光成 ○吉岡 −− ●又吉 ○吉岡 −− ●高倉 ○吉岡 −− ●小野
○北野弟 −− ●綿谷 □北野弟 −− ○北野弟 −− ●福代 ○北野弟 −− ●阿部
○苦瓜 −− ●肌野 □苦瓜 −− ○苦瓜 −− ●小林 ○苦瓜 −− ●池辺


四回戦 五回戦 六回戦
九大 鹿大 九大 福大 九大 熊大
−− −− −−
○沖永 −− ●高梠 ○沖永 −− ●田辺 ○沖永 −− ●二神
○山本 −− ●海平 ○山本 −− ●宮本 ○山本 −− ●甲斐
○北野兄 −− ●片木山 ○北野兄 −− ●了戒 ●北野兄 −− ○土橋
●原田 −− ○伊藤 ○原田 −− ●上村 ○原田 −− ●吉田
○吉岡 −− ●原田 ○吉岡 −− ●蓮池 ●吉岡 −− ○石田
○北野弟 −− ●緒方 ○北野弟 −− ●毛利 ●北野弟 −− ○小牟田
●苦瓜 −− ○永川 ○苦瓜 −− ●田中 ●苦瓜 −− ○山内




最終結果











団体戦出場選手個人成績&寸評


今回は出場選手の殆どが全勝に近い成績を収めたので戦犯度の判定が難しく、今回は無効です。髑髏の数は負け数です。死神は「ぐーん」を表しています。

大将 沖永 6−1



以前に出場した時は悲惨な成績だったが、その屈辱にバネにして見事な成績を収めた。 この調子で秋もがんばって欲しい。

これで更にびっぐまうすに磨きがかかるかと思うと・・・


副将 山本 7−0



驚いた。皆、驚いた。団体戦復帰早々、熊大の甲斐氏に逆転勝利で全勝達成。今までの不満な団体戦成績を一気に解消。西日本大会では九大の代表としてがんばって欲しい。

部内の格付けが微妙になっているようです。どうなるんだ・・・


三将 北野兄 6−1



佐賀大の星出氏を破る等、熊大戦前まで好調だっただけに最後は残念だった。九大に貢献し続けてきた彼も、とうとう秋が最後の大会である。九大は2年間王座戦に出場していない。最後の勤めとして部員を王座戦に連れていって欲しい。



四将 原田 6−1




吉田戦では下馬評が不利だっただけに奮起したのだろうか、見事な勝利を収めた。彼は大会前から振り穴対策を十分に練って来ており、練習の成果を十分発揮できただけに本人も満足だろう。秋もこの調子でがんばって欲しい。

下級生の教育をしっかりとね、ばぶー君


五将 吉岡 6−1





石田氏とのライバル対決に敗れてしまった。今回はライバルが好成績を収めたこともあって内心燃えるものがあったのだろう、彼は大会後坊主頭(!!)にすることで秋に向ける意気込みを見せてくれた。秋までこの意気込みを持続して欲しい。

このPageの管理人を・・・やれ!!


六将 北野弟 6ー1



小牟田戦は入玉されながらも粘り強く指し続け、相入玉に持ち込んだが点数が足りず無念の投了となった。幹事として多忙だったことを考えるとこの成績は十分といえるが最終戦は無念だったに違いない。彼もライバルが好成績を収めたので燃えているはずである。秋はがんばって欲しい。




七将 苦瓜 5−2




彼は今回、初レギュラーとして大会の桧舞台に立 ったことを考えるとこの成績は満足できるものといえる。山内戦では力及ばず敗れたが、これがいい経験になってくれれば九大としても心強い。 ただし、次回からは棋譜が並べられるぐらい思い入れをこめて指して欲しい。

将棋部で9階に住んでいる部員がいるとは・・・




<結果&分析&総評>

熊大、九大共に初日から他大学を圧倒し初日終了時点で優勝争いは、ほぼ両大学に絞られた。2日目も両大学は順調に勝ち進み、前期に続いて最終戦全勝対決となった。九大は昨年度から主力メンバーが二人卒業したが、団体戦に復帰した山本、新レギュラーの苦瓜がその穴を十分に埋める活躍をしていた。そして最終戦だが・・・、本当に惜しかった。一時は熊大を3ー1まで追い込み、優勝に半分手が届いていた。だが、ここから熊大が底力を発揮して下3つを抜いて大逆転勝ち。優勝が決まった瞬間の熊大の喜びようは尋常ではなかった。(; ;)
これで秋に続き熊大の3連覇である。実力に大差があるとは思えないのだが、どうしても熊大に勝てない。

そこで、過去の結果も踏まえて対熊大戦を分析してみると目立つの熊大の下位層の手厚さである。過去5期の対熊大戦における「大将〜5将」の通算成績は「九大の12勝13敗」。この中には熊大の九州学生名人2人が含まれているので、上位陣は互角以上に渡り合えていることがよくわかる。一方で「6、7将」の過去5期の通算成績は「九大の1勝9敗」。そして殆どの大会で熊大の6、7将のどちらかは全勝を達成している。熊大といえば両九州学生名人に目を奪われがちだが、実は下位層の厚さを武器にしている大学でもあったのだ。
しかし、この結果から九大は主力を6、7将にずらせば良いと思うのは早計だろう。なぜなら、経験の浅い者には今後の自信を持たせるためにも下位で1勝でも多く勝利させる配慮も必要だからである。

となると、必然的に部内全体の底上げが必要なのは言うまでもないが、 現在の九大には幾つか弱点があるようだ。

・実戦主体の練習法

殆どの部員は実戦(対局)主体の練習法を繰り返しており、定跡を積極的に研究しているのは一部の部員に留まっているようだ。熊大には両九州学生名人を始め、振り飛車党が多い。しかし、はっきり言って現在の九大にまともな振り飛車党はいない。(爆)
これは問題だ。実戦で細かい感覚を掴むのも大切だが、研究によって対局前から有利に立つことは熊大のような強敵相手では特に重要である。

・層が薄い

九大はレギュラークラスとその他の部員との間にかなり力の差がある。 これは単にオーダーのバリエーションが少なくなるというだけでなく、レギュラー陣に温泉気分を満喫させる要因になっている。レギュラー以外の部員を強化しなければならない。

今回の結果より、九州学生棋界は熊大を中心に九大、鹿児島大が優勝に絡んでくることが予想されるが九大としては熊大に標準を絞るのが得策だろう。それまでに上記の弱点が克服できるだろうか? 以前の文章と似た論調になってしまったが昔からの弱点を 九大は 克服出来ていない。この事実に危機意識を持って望んで欲しい、と書くだけ書いて 終わりにさせていただきたい。



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九大将棋部